俺が黙ってると、
S女が口を開いた。
「あの子さ…昔は明るくてお喋りだったのよね」
S女はそう言って、近くのベンチに座り、
俺に隣に座る様、ジェスチャーした。
仕方なく俺はS女の隣に座った。
「雅弘さんを好きになってから…あの子もっと明るくなって、
楽しそうだった…けど」
「…けど?」
俺はS女の意味深な言葉に、
耳を傾けた。
「雅弘さん、彼女が出来てから瞳にメールしなくなって、
瞳は、雅弘さんと少しでも繋がっていたいからって、
ずっと、携帯ばっか見てて…
それから、口数も少なくなっちゃった。」
…ネクラは、
長野の事、ホンマに好きやねんな。
「やばいなぁ。
俺失恋やわ」
俺はそう言って苦笑いした。
誰が見ても、
あきらか強がってた。
でも、強がりしか、
もう…
俺には残されてない気がした。


