ネクラの好きなヤツは海外におって…
もうすぐ帰ってくるって言ってた。
俺と長野は、昔から雰囲気がよう似てるって言われてたな。
条件ぴったりや。
長野が、ネクラの好きなヤツか…。
俺はタバコを口から離した。
「おっネクラやん!
お前も長野の事迎えに来たんか?」
俺がおるって、ネクラはやっと気付いた。
「え…慎一さん?」
「なに?瞳ちゃんと慎一って知り合いなの?」
長野が俺とネクラを交互に見る。
「まぁ、ホンマちょっとした知り合いやけどな。」
俺は強がった。
長野とネクラに比べたら、
ホンマに小っちゃい付き合いなんやろなって思ったから。
「じゃ、邪魔したら悪いから帰るわ。
ごゆっくり~」
俺は再びタバコを銜え、
空港の外へ出た。
「あんた、何ボーッっとしてんの?」
S女…お前も来てたんか。
「ショックなんでしょ?雅弘さんが瞳の好きな人って知って」
ショックもええとこやわ。
なんか、あの二人の間に、見えへん空気みたいなんあって…
俺はネクラと知り合って間も無いからしゃあないかも知れんけど…
「…切ないわ」
俺はタバコの煙を吐き出し、呟いた。
煙は、しばらくして姿を消した。
「…大丈夫?」
S女が気の毒そうに俺を見た。
そんなん、余計切ないわ。


