家に着くと、裕貴がすでに帰ってきていた。
「あっ!慎ちゃんおかえり!」
裕貴はいつもの様に無邪気に微笑んだ。
「ちょっと、裕貴。
顔かせや」
俺がそう言うと裕貴はこちらに向かってきた。
「フフフンフ~♪」
鼻歌を歌いながら帰ってきた明宏は、
玄関のドアノブに手をやった。
「きゃあ―――!!慎ちゃんやめて!!」
「!??」
明宏は裕貴の叫び声にビックリし、
慌ててドアを開けた。
「……何やってるんだ?君達は…」
明宏の目の前には、
俺にプロレスの技を一通りかけられ、ぐったりしている裕貴の姿が映っていた。
「あー。スッキリしたわ」
俺は裕貴を解放し、
大きく伸びをした。
「…何かあったの?」
裕貴は床に寝転がり、
俺を見て言った。
「何もないわ」
そう言って俺は台所に向かった。
冷蔵庫に入ってるビールを手に取り、一気に飲んだ。
「何年ぶりやろな…人を好きになんの」
俺はそう呟いて、
空になったビール缶をゴミ箱に投げた。


