「…どこから来たのかは分からないけれど…。一つだけ言える事は、この世界ではない場所から来たのではないかという事。」

勿論…
その言葉の意味を理解はされませんでした。


その男は「ロビン・マーシュ」という名で、正義感が強く若いながらもこの村の長をしていました。

「ロマ」と…、人々に愛称で呼ばれ愛されていました。


他に行く宛の無い僕はこの村に留まっても構わないかと彼に訪ね、そして村の空き家に置いて貰える様に頼んだのでした。


「…村人たちと問題を起こさずに上手く過ごしてくれるなら許そう。私も君に興味がある。」

ロマはそう言って、僕を家族として迎えてくれました。


僕には記憶が無かったけれど、
村人たちには無い、僕しか知らない知識を持っていました。

だから、この村に置いて貰うお礼に、村の暮らしを豊かにする術を教える事を約束したのです。


そして、僕は。

村人たちには無い、
きっとこの世界には無い、

不思議な「力」を持っていました。


彼も村人も不思議そうに僕の様子を伺ってはいましたが、快く村に受け入れてくれていたと思います。


人々は、
僕を「ユラ」と呼びました。