哀しくて、哀しくて。
苦しくて、哀しくて。
涙が溢れる、
潰れそうな喉では…
その願いは、
最後まで「言葉」には出来ませんでした。
言エテシマエバ良カッタノニ。
――………。
ロマは鎮まりました。
僕の想いが届いたのでしょう。
目の前の彼の悲しそうな大きな瞳には、泣き崩れた僕の姿が映っていました。
――…キュウ…
『……ユ…ラ…、俺…』
大地は動きを止め、風たちも落ち着きを取り戻します。
村は、急な静けさに包まれていました。
彼の涙は止まりましたが、未だ雨は降り続いていました。
それは僕の涙でした。
「…もう止めましょう、ロマ…。もう止めましょう…」
『…俺…。俺…』
怒りを鎮めたロマは、みるみると小さくなり、僕の足が大地へと着きました。
彼は、普段の彼。
僕の、腕の中。
ワ…ン…
『…俺、花たちを…エマに…。村人が…俺……』
僕の腕には、赤い血。
村人に投げ付けられた石で受けたロマの傷からでした。
その血が、雨で流れます。
「…分かっています。辛かったですね…痛かった…ですね…。でも…もう止めましょう…」
誰が悪いのか、
分からなくなりました。

