深刻な面持ちのロマに連れられて訪れた一軒の民家。

そこには、ぐったりと起きる事すらままならない三人の村人が苦しそうに寝床に横たわっていました。


「最初は、その娘が倒れた。次に看病していた娘の母が。そして…父親までも倒れて三日になる。様子を見ていたんだが、どうやら周囲の村人にも何人か…」

「…伝染病かもしれませんね。」

「伝染…?」

「人から人へと移る病気です。発症していないだけで村全体に広がっているかもしれません。体力の無い者から床に伏せる…」

ロマの話では、いくつかの点在した周囲の村でも同じ様な症状が出ている者もいるそうです。

村同士の農作物を交換に行き来を繰り返していましたので、この地に暮らす人々全てにその可能性があったのです。


「…ユラが集めた薬草を全て試したが、効果が無いのだ。」

「そうですか…」

森から数種類の薬草を見繕っては村で育てる様に人々に助言はしていましたが、それでは効果が無いものでした。


「助けてくれ…ユラ。」


人々を救う為に、僕の力を使う事になりました。