「…残された彼女が苦しむのは、僕も哀しい。でも、一緒に連れては行けないのです。だから…、だから…」

ダカラ…


僕の声が震えていました。
言わなくてはいけない。
想いを言葉に乗せなくては…。


「…僕は…」


心に嘘を付いた言葉でも、
想いは真実に届きますか――?


「…僕はエマの、僕に対する…想いを…、記憶を…」


「―――…ゃ、嫌ぁっ!やめてぇっ!!」


……エマ、

ドウシテ言ワセテクレナイノ?


森の主の裏側から姿を現したエマは、七色の羽根を光らせて、僕の顔を見つめていました。

顔は涙で濡れ、
立ち上がる力も無いのか、地面に手を付いたまま首を横に振り続けました。


「…どう…して…?どうして、そんな事言うの!?どうして、そんな酷い事をするの!嫌よ!やめてよ、ユラ!!」

いつも笑顔の、明るいエマ。
彼女の弱い姿を見たのは、
こんなにも感情的になる姿は、初めてでした。

全ては、
僕を想ってくれている故。


…今、ソノ想イカラ、
貴女ヲ解放シテアゲル…



「…エマ、全て聞いていたでしょう?貴女はもう理解出来ているはずでしょう!?」

「――嫌っ!!嫌よ!分からない!何も聞いていない!!」