エマはいつも傍らに居てくれました。
どんな時も、寂しがりな僕が「一人にしてくれ」と頼む事はありませんでしたから…。

エマはこの場を立ち上がり、何度も離れる事を躊躇い僕を伺います。


「…話せなくて…御免なさい、エマ。いつも傍に居てくれて…有り難う…」


悲シマセテ、ゴメンナサイ。


「…何…突然そんな…。本当に大丈夫?ユラ、何だか変よ…?」

エマがとても不安そうでしたので、僕は無理をして笑い声を出しました。


「…ふふ。大丈夫ですよ。エマが来てくれたから、僕は落ち着けたんです…」

彼女の羽根は、今は無い。
僕の顔は笑えてはいませんでしたが、エマは僕の言葉に安心してこの場を離れました。


ズット…
一緒二、居タカッタ。


僕はエマの背中が見えなくなるまで、ずっと森を見つめていました。


ワゥン…?
『ユラ、一人になりたい。俺も、どっか行く…?』

足元では、やはり悲しそうなロマが僕を見上げていました。


「…ロマ…おいで?」

僕は彼をすくい上げると、しっかりと胸に抱きました。


「ロマは、僕の分身。ずっと一緒だと言ってくれましたね?」

『うん』

「…ロマには大切なお話があるんです…」