泣きながら…、
心の中で叫ぶしか…

出来なかったのです。


「――…あぁ…ぁ!!」


ドウシテ…

「知リタイ」ト、
願ッテシマッタノダロウ…!


「――…あぁ!どうして!?…嫌…です…!僕は…僕はっ!!」

「…ユラ!ねぇ、落ち着いて!?私に理由を話して?」


――…出来ナイ。

僕は何度も何度も、
大きく首を振りました。


「…僕は…僕の名はっ…!」



僕ノ名ハ、

――ユピテル・ラディス。



僕は…、
時間も空間をも越える存在。

あの遠き場所を守る者であり、
そして、
人の『運命』を正す者。
運命を紡ぐ者。



哀シキ運命ヲ、背負ウ者…


ソシテ。

僕ハ逃ゲタ、罪人。
運命カラ逃ゲタ、罪人…


逃げ切れないと分かっていて、

それでも…

哀しき運命から、
逃げたかったのです…


自分カラ、
自分ノ存在ノ記憶ヲ消シテ…