俺は、反射的に後を追いかけた。 「…雪村。」 止まる事のない、雪村を呼ぶ。 「何か用ですか?」 振り返った雪村は、さっきとは別人のように、満面の笑顔を見せた。 多重人格? 七変化? 「ありがとう。」 久しぶりに、そんな言葉を言った。 「アタシ、あなたに感謝されるような事、されてませんから。」