「広は誰から聞いた?」 アタシは聞く。 「クラス中。みんなが言ってる。」 広は冬軒の隣に座る。 「本当だとは、夢にも思いませんけどね。」 松本は言う。 「人魚なんているんなら会ってみたいです。」 パチンとホチキスで止めた冬軒は、書類をアタシの方にまわす。 「人魚ねぇ…。」 アタシは書類に目を通して、また仕事に取りかかった。