ある夏の暑い日。 窓が開いてると風が入ってくるが、入ってくるのは風だけではない。 「あつー…。」 蒼は気分悪そうに、へばっている。 「お前、保健室行けよ。」 龍也は下敷きをパタパタと扇いでいる。 「アタシにも。」 親指で自分を示す蒼。 龍也は扇いだ。 「お前、みんなの前と俺の前ではエラい違いだな。」 「何がかしら、佐伯君?」 ケロリと笑顔を作る蒼。 「怖えー。」 龍也は顔を強ばらせた。