絶対の均衡を保つ義務。 その義務の意味は遥か昔の恋物語から始まった。 …花嫁の存在も。 遥か遥か昔。 向神家は…神の言葉を降ろす家系だったそうだ。とくに若い娘にそれは顕れた。 神の声に愛された娘は、神の子として、人々から崇められていた。 明るく、曇りのない心を持った美しい娘だったそうだ。 いるだけで周囲を幸福にする至高の娘。 神に愛された格別の娘。 だけど、ある日。 偶然地上に降りてきた空の王と出会い、恋に落ちた…。