私は慌てて、まぁくんの腰に回していた腕をどけようとしたら、まぁくんが私の腕をつかんだ。






「…俺さ、百合にはふさわしくない男なんだ」




え……?



「この前、大石が教室で百合のことが好きだって言ってるのを聞いて、百合には俺は似合わないって思った。俺じゃあ…百合を幸せにできないって」






「だから……百合と距離をおいたの…??」




まぁくんは力なく頷いた。


「もおッ!!まぁくんのバカッ!!」




「まぁくん!!私はね、まぁくんと一緒にいるのが幸せなんだよ!!ただまぁくんがいてくれるだけで、百合は幸せなの!!だから…もう二度と百合から離れちゃだめだからね…?」



百合はまぁくんのお腹ぐらいに顔をうずめた。
その頭を、あのとき…初めて出会ったときのように、今度は素手で優しくなでてくれた。


こぼれそうな涙を我慢して、かすんで見えたまぁくんに語りかける。






「まぁくん、世界一大好きだよ」


見上げると、まぁくんは初めて私に笑顔を向けてくれた。







愛しさで、私の心はいっぱいになった。