まぁくんの教室はぁ……




…あったッ!!



教室のドアの近くにいた男の子に声をかける。




「あのぉ、まぁくんいますかぁ??」




「坂本??あー、もぉいないねぇ。それより、百合ちゃん、坂本より今度俺と遊ぼうよ」



肩に手を置こうとしてきたところを、スッと後ろにひいて避ける。





「ごめんなさぁい、私、まぁくん一筋だからっ!!」



あなたと遊ぶなら、まぁくんと遊ぶよっ!!



また廊下を走って急いでいつもの場所にいった。



いるかいないか分からない。けど、教室じゃないならココかな、ただそれだけの勘で百合は図書室に向かった。





「あっ…」



「まぁくん、いたーッ!!探したんだよ??今日も…お勉強??」




「あぁ。」



まぁくんは私の顔を見ずに、またすぐ勉強に戻った。




「…」




「……」





「…あのさぁ。」



「えっ!!なになに!?」

勉強中にまぁくんから話しかけてくるなんて初めてで、私は乗り出して返事をした。





「見すぎだから。」





「だって~…、見たかったんだもん」




そう言ったら、まぁくんはじっと私を見て、プイッとした。




「?なあに??」



「なんでも」



まぁくんとの、ふとした会話。ホントに幸せ。



皆知らないんだね。まぁくん、照れ屋さんだから、いつも学校ではツンツンしてるけど、ホントは誰よりも優しいんだよ。






……いや、誰も知らないでいっか。百合だけが知ってる、まぁくんの姿で。