ホスト 神

「え?神さんにですか?」



月矢と呼ばれたホストは、訳が分からないと言う顔で聞き返したが、神は隣で静かに頷いている。


え?何で?私お金持ってないって思われたのかな?…でも…だったら店追い出されるよね?意味分かんない。



「私払うよ!お金なら持ってるから!」



そう言ってシャネルの財布から、二枚のカードを見せたが、神と言うホストはカードを見もしないで、私の前に黙って手を出して制した。



さっきの月矢と呼ばれていたホストが、怖ず怖ずとヘネシーエクストラを持って歩いてくる。



「これは俺からのサービス!今日この店初めてだよね?これで[fly]の神ってホストを忘れられなくなるでしょ?」



…プッ!変なホスト!樹里は心の中で笑った…客にボトル入れてどうすんのよ…でも印象には確かに残った。



神は不思議そうな顔で私の顔を覗き込んできた…溜め息が漏れる程格好良い。



「大丈夫?何か有ったの?」



「ううん!何も無いよ。じゃあこのヘネシーは私が飲むね!じゃあ神君の分は私がオーダーするからね!神君何飲みたい?」



「俺から何がいいっては言わないよ!お客様がホストと何を飲みたいのか!それが一番大事だと思ってるから。」