ホスト 神

二人共、長年喉に詰まっていた物が取れたようなスッキリとした顔になった。



「あれから彼氏は?」



陽子が、タバコの火を消しながら肩をすくめる。



「神君みたいに、あれだけの大怪我を覚悟で助けに来てくれる良い人なんて、中々いないわよ。」



「そうか。」



俺は陽子に笑顔を見せて、テーブルの端に伏せてある伝票を持って席を立った。



「あ、陽子…。」





陽子が不思議そうな顔を上げた。





「こんな俺と付き合ってくれてありがとう。じゃあ元気でな。」



俺は伝票に書いてある金額を払い、レジ脇に架けてあったロングコートを羽織って喫茶店を出た。


空は雲一つ無く晴れ渡っている。冷たい空気を腹一杯吸い込んだ。



冷たさが胸の中を洗わってくれた気分になり、俺の心の中も晴れ渡ったような気がした。