ホスト 神

唯一の救いは、谷口の爺が手配してくれた診断書のお陰で、禿鷹のような刑事達が来なかった事。





俺は天井から下げられた布の中に両手を入れ、只真っ白な天井を眺める事しか出来ない。



涙は俺の目から耳に流れて行き、枕を濡らす。



思い出すのは陽子との出会いや楽しかった思い出ばかり…。



俺のアパートで過ごしていた時間や、見に行った映画のストーリー…。



陽子は料理が上手かった。優しくいつも俺の体を心配してくれていた。危ないから喧嘩をしないでと、泣かれた事も多々あった。



…あの時に引退していれば、こんな事にはならなかったのかもしれない。



二人の幸せな時間を壊したのは俺自身。



この両手は、好き勝手やってきた自分への罰。



そしてこの恋の結末は、俺が好き勝手してきた事への代償。





三日間何も食べずにいた為、四日目からは点滴をされて過ごした。



涙を流した分だけ、体重が軽くなっていく気がする。



白い天井を見つめ陽子を思い出し、窓の外の太陽を見ては陽子の笑顔を思い出す。