由美の書いた手紙の内容はこうだ。





神へ



突然の事で驚いてると思います。まずはごめんなさい。神が一緒に暮らそうって言ってくれた時、私は本当に嬉しくて…やっと幸せになれたって思えたの。一緒に暮らした一年間も楽しかったけど、神と抱き合って過ごした二日間は言葉に出来ないくらい幸せで、私の心は十二分に満たされた気分だった。でもね、神に頼らないで生きていこうと決めて切った髪が、結局またお前は神に頼り切りじゃないかって、囁きかけてくるような気がしたの。神は私の為に右手を怪我して、ホストを辞めるってまで言ってくれた。普段でも優しい神なのに、あの二日間はいつも以上に優しくて…その優しさが、私の中に芽生えた神に私は何もしてあげられない。って言う気持ちを膨らませていった。こんな事書くと、神が悪者みたいに思えちゃうかもしれないけど、そんな事は全然思ってないからね。私は私を強くする為に、笑顔でこの部屋から飛び立ちます。神ごめんね。私が弱すぎて自己中な為に、神を傷付けてしまった。最後までワガママな女で本当にごめんなさい。でも…神の事は本当に大好きだったよ。


さようなら大好きな神。あの遊園地で撮ったプリクラは、私の大切な宝物にするから貰っていくね。由美





この日から由美は本当に姿を消した。



チハルの前からも[鈴蘭]の千登勢ママの前からも、そして俺の前からも…。