ホスト 神

私は化粧室の中で泣き崩れた。



「神が隣にいるのに…全然楽しくないよぉ…こんなのならマンションで神と一緒にいる方が…楽しいよ…やっぱり嫌だ…神と離れたくないよぉ…。チハル〜。」





…私は月矢君にあの掲示板の事を聞いた後、直ぐに自分の荷物をまとめ始めた。もともと神が嫌がると思って、荷物はあまり持ってきてなかったので、夕方にはチハルのマンションに荷物をすべて運び終わった。



神が起きるまでの少しの間、これが最後だと思ってリビングを眺めていた。



…一年前、私の前の彼氏がこの家に乗り込んできた。私は神がマンションを出ていった後、直ぐに別れ話しを切り出して別れた。神の仕事を馬鹿にした彼氏にものすごく腹が立ったから。





…ねぇ…私は何時から神の事が好きだったのかな?



一緒に住み始めてから?


それとも普通の友達として付き合ってた時から?



…初めて声をかけた時から?



通りで見かけた時から、気になってたのは確か。綺麗な顔だったし、いつも私の前でナンパしてた。



いつもはムスッとした顔をしてたけど、隣にいるジュン君と話してる時の笑顔が、可愛くて格好良くて、気が付けば自然と目で追っている自分がいた。



だからあの日…思い切って声をかけてみたんだ。



…最初神の態度が冷たくて…怒ったふりしたけど…実は悲しかった。



ねぇ?神は覚えてる?初めて会った時に、髪の長い子が好きだって言ったの。


だから私は、五年間ストレートのロングを変えないままだったのかな?



…今思えばそうなのかもしれないね…。