ホスト 神

俺は一人でトイレに向かった。



…酔ってはいない。


もちろん、出勤前に電話をかけたのは佐和ママだ。


だが、佐和ママにも理由がある。



枕。



今まで佐和ママは、歴代の[fly]ナンバー1に枕を求めてきた。



俺は今回[blue]に勝つため、初めてその条件を飲んだ。



ふぅ〜。



酔ってはいない。



目の前の鏡に写っている、少し赤ら顔の自分に言い聞かせる。



…これでホストは辞める。



そう…辞めるんだ。



最後ぐらい枕をしてもいいだろう。



[fly]のため…ナンバー1の意地のために。



この勝負は負ける訳にはいかない。




「なぁ、神。お前もしかして佐和ママと…。」



ジュンが[fly]のホスト専用のトイレに入ってきた。