ホスト 神

[fly]の前には、将吾が心配そうな顔で俺の帰りを心待ちしていた。



将吾に礼を言って、スティードを返し店に入っていく。



「神!」



フロアに入ると、酔い潰れた何人かのホストの死体と、ハルさん、ジュン、月矢、[RED・STA]の後輩達が、俺を待っていた。ネルは少し離れて誰かと電話している。



「神さんすいませんでした!」



月矢が俺の前に来て謝ってきたが、もう月矢に対する怒りの感情は無かった。





…全ての原因は俺自身にある…。



由美に対する気持ちから逃げていた自分…。



由美の事を知ろうとしてこなかった自分…。





そんな自分の小ささに幻滅し…そんな自分に怒りを覚え…なによりもそんな自分が許せなかった…。



俺は頭を下げている月矢の肩にそっと手を乗せて横を通り過ぎた。



「…今、ネル達五代目に動いて貰ってます。」