ホスト 神

今は軽やかに喋れるジュンが羨ましい…。



「取り合えず、今はハルさんの言う通り店に戻って来い!な?」



…何とか必要最低限の相づちを返して、携帯をポケットに仕舞う。



…時間が風のように、一瞬俺の体を包んでは通り過ぎていく…。



やっと体を動かせるようになった時には、さっきの電話から一時間以上経過していた。



ゆっくりとバイクを走らせ、公園、俺の前のアパートまで走った時点で、朧気ながら東の空の一辺が明るくなってきた。



…それはまるで俺にタイムリミットを教えるかのように見えた。



遊園地の方や、海岸線の方まで走ろうと思っていたが…諦めた。





俺は由美の事を知らなすぎる…一緒に住んでいたくせに…。





俺は…無力…。






その二文字が、俺の心を締め付ける…。