ホスト 神

俺は無理矢理立ち上がり店を出た。



鳩尾は一歩一歩足を出す度に、稲妻のような痛みが走る。



店を出てタクシーを探しながら走っていると、後ろから俺を呼ぶ声に振り返った。




「神さぁ〜ん!なにやってるんですか?」



[RED・STA]五代目バイスプレジデントの将吾が、スティード400で俺と平行して走ってくる。



俺は一端通りに停めさせ、将吾のスティードを奪ってマンションへ向かう。





マンションに着いた俺はエントランス前にバイクを停め、エレベーターで上に行くのもまどろっこしくなり、階段で七階まで走る。



焦りながらマンションのドアを開けるが、人の居る気配がしない。



俺はそのままドアを閉め、今上ってきた階段へ向かう。



階段を下りながら由美に電話をかけるが、電源が切られている。



仕方なくチハルに電話するも、コール音が聞こえるだけで一向に電話に出ない。




焦りだけが先行して、何も考えられなくなっていた…。