ホスト 神

俺は体を起こし、ソファに座り直した。



「どうした月矢?お前がまだ生きてるなんて珍しいな。」



月矢はこういうイベントで、後先考えずに飲む為、大概は一番最初に潰れる。



「えぇ。梓は午後から来ますから。」



梓は月矢のエース。新進気鋭のデザイナーで、大手企業ともフリーで仕事をこなしている。歳は月矢より三つ上だが、ホストになる前から顔見知りで、その頃から梓は月矢の事が好きなのだ。



「そんな事より、昨日から由美ちゃんと話しました?」



「今日出勤する前に電話で話したくらいだけど…なんで?」



俺の言葉を聞いた月矢は、一気に安堵の顔を見せた。



「昨日神さん酔い潰れて、俺がマンションまで運んだんですよ。神さんをベットに寝かせた後、由美ちゃんに最近神さんの様子がおかしいけど、なんか知らないかって問いつめられて、俺ポロッっとあの掲示板の事言っちゃったんですよ。でも話ししたんなら解決したんですね?良かったぁ!朝からそれが気になってて、余り飲めなかったんですよ。」