ホスト 神

フロアに戻って、腕に付けたカルティエの腕時計、タンク・フランセーズを見ると未だ十一時半。



はぁ〜…濃密な時間だった…。



だが午前はもう30分も無い。



俺は最後に指名客のテーブルを周り、最後に一本ずつドンペリを入れて貰って送り出した。



午前の部終了。



午前で張り切り過ぎた者は、皆一様にソファへと倒れ込んだ。



午後の部に賭けている奴等は、営業電話やメールに勤しむ。



ジュンは足を広げてもう眠りに入っている。



義人の途中報告だと、[blue]との差は凡そ三百万に縮まったという。



それを聞いて、俺も大テーブル脇のソファに横になった。



「あの…神さん。」



軽く目を開けると、ライオンの着ぐるみを着た月矢が、俺の顔をのぞき込んでいる。