魔女と花

目を未だに輝かせている亮祐を無視して私は群れの中へ。

あの男の子もいるかと思ったけれど、いない。幻説が有力になった瞬間だった。

漸く1番前まで行って私の名前が何処にあるのかを確認する。

私の名前はすぐに見付ける事が出来た。


“1年1組5番 神崎歩子(かんざき・あゆこ)”


不幸なのかそうでないのか。私は亮祐と同じ1組。

最初の1年はせめて別のクラスが良かったんだけどな、とか思う。

だって小学校の時のあだ名は……お母さんだったから。

誰のお母さんかって?聞かなくても分かる筈。そう、亮祐。

これじゃあまたお母さん扱いじゃない。あーあ、嫌な1年になりそうだな。