「クレイ……ッ、じゃなかった、クレスト先生! どこにいるんです?」

ごみごみとした雑踏を歩きながら、何度も背伸びをして辺りを見回す。

そもそも慣れない街だというのに、あんなに勢いよく走っていくから!

だから毎回クレイ……と口が滑ってしまうのだ。

マリン・アザー・カーソンは、溜息をついて、もう一度尋ね人の名を呼ぶ。

「クレスト先生!?」