私はお兄ちゃんと言う人を 見誤りしてたのかも 優しくて強い太陽 今のお兄ちゃんからは 微塵も感じられない 「どっち?」 お兄ちゃんが うつむいて訊いた どっちって? 私が首を傾げると 「どっちのベッド?」 私を見つめたお兄ちゃんの目は 疲れたような哀しそうな そんな目 「お兄ちゃんのベッド」 私が答えたら 「わかった。一緒に寝よう」 キッチンの明かりを消して お兄ちゃんは部屋に戻って 私は その背中の後ろについて行った