ぼくの 妹 姫




目の前にでかい花器に名前の知らない花がミョンミョン飾られてる広い玄関



………この玄関、私の部屋より広くない?



「こっちだから」


宙が靴を脱いで廊下を進んで行く


「お邪魔します」と呟き
私は宙を慌てて追った



家と言うより ここは旅館って感じ



宙を見失えば迷子になる



一階の1番奥の部屋


木の引き戸を開くと


10畳くらいの畳の部屋
二段ベッドと机が2つ
部屋の真ん中に黒いテーブル



「あれ?二人で使ってんの?この部屋」


私が部屋を見渡しながら訊くと



宙は机にカバンを置いて


「3月まで兄貴とね。兄貴、大学行って家を出たから今は1人」



「こんなに広い家。部屋なんかたくさんあるでしょ?
なんで、お兄さんと同室だったの?」



「家も広いけど、家族も多いんだよ
祖父母に両親、叔母夫婦、従姉妹…兄貴出ても10人家族」


「じゅ…10人っ」


うわぁ、大家族なんだ



「なんか、飲み物持ってくるから座ってて」


宙はそう言って部屋を出て言った