ぼくの 妹 姫





私は 呆然と宙の家…ううん 門を見上げた



「ねぇ、宙、あんた何者?」



もうすでに門の中10mほど進んだ宙が
まだ門の外に突っ立ってる私を振り返り



「フツーの中学生だよ
悪趣味だろ?家」



悪趣味って………


よく時代劇とかで出てくる忍者が夜中に飛び越えて侵入しそうな大きな門



その向こうは松や池や石の置物がある日本庭園?



あの、家が見えな~い……



「宙って…殿様?」


はぁ~~って宙はため息ついて



こっちに戻り私の手首を掴んで



「おいで、蕾」



門の中へ引っ張って行った



庭の敷き石の上を手首掴まれたまま進むと



「宙くん。お帰りなさい」


エプロン姿の中年女性が庭をホウキで掃きながら声をかけて来た



「ただいま」



宙がぶっきらぼうに答えると


「お友達ですか?あとでお部屋にお菓子を……」

「いらない!自分でやるから」


宙は早足で家に向かった



「ねぇ宙、お母さん?」


宙に引っ張られながら訊くと


「ハウスキーパー」


怒ったように答えた


すごいな、お手伝いさんって
初めて見たよ