ぼくの 妹 姫




放課後、玄関で上靴をしまうと



「蕾」



宙が来て



「今日、家に来いよ」



「宙の家に?」



「うん」



「なんで?」



「な、なんでって…………
理由なんて、ねぇ
嫌なら来るな」



「……嫌なんて言ってないよ」



今日の夕食はお兄ちゃんが作るって言ってたし



「行くよ、宙の家」


そう答えると



少し宙は驚いた顔して



「お、おぉう。仕方ない
来いや」



「仕方ないって…
宙が誘ったクセに」



私たちが並んで歩く姿を


周りの女子は悪意の目で見つめた



周りに馴染まないクセに


男子と仲良くする私


宙が大してモテる男子じゃなくても


群れをなす女子という生物は


私みたいな存在を嫌うから