ぼくの 妹 姫




ベッドに横になり



暗い部屋の天井に 目を凝らす



――――――ガタン


耳に入る小さな物音


………今夜もかぁ



ぼくは ゆっくり上半身を起こした



出かける支度は出来ている



いつもなら 玄関で蕾をとめて



居間で二人
お茶を飲んで床につくけど



それじゃ何も解決しない



いくら蕾に訊いても

夜中に家を出ようとする理由を言わないし




今夜は蕾を自由に泳がせようと考えてた



ぼくは 気づかれないよう



蕾を尾行する



解決策は
それしか思いつかなかった




玄関の扉が開いて閉まった音を聴いてから



ぼくは自分の部屋を出た