そのまま 崩れるように お兄ちゃんは うつむいて 私の手を握る彼の両手は震えた だんだん力が込められて 手の甲にお兄ちゃんの爪が食い込み痛くなって 「痛いよ…お兄ちゃん」 「…………ごめんな、蕾」 静かにお兄ちゃんは立ち上がり 「荷物、取ってくる」 衝立の向こうに消える お兄ちゃんの背中には 哀しみが 溢れて 胸が痛んだ