ぼくの 妹 姫




優しいお兄ちゃんの目が



哀しく冷たく



暗闇に沈んで



あ、お母さんと同じ目の色になった



蕾のこと



『死ねばいいのに』って言う




お母さんと同じ目の色




そう思った瞬間


私の身体は宙を浮き


優しかった名前も知らないお兄ちゃんに抱えられ



人目につかない公園の茂みに



私を投げつけて…………




「裏切り者」



「声出したら殺す」












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目を開くと 白い天井が見えた



………………病院?


「蕾!!!!!」



その声に視線を横に向けると


お兄ちゃんの顔



「大丈夫か?蕾?」


あれ?


なに?



どうしたんだろう?


私は今……………