男女は C棟3階の廊下の突き当たりの教室に入った
私は そっと近付くと
閉められた戸から
「今さら呼び出して何?」って女の子の声がした
「お前、オレと別れてアイツと付き合ってんの?」
「アンタに関係ないし
そんな話なら、帰る……」
ガタガタ!!
「…………キャ……」
「てめえ、オレに恥かかせて
ただで済むと思ってんのか…?」
「やめ………んっ……」
―――――やっぱり 暗闇だ
暗闇は嫌だ
『お前、死んでくれない?』
『なんでお前なんか生まれたんだ』
『お前のせいで不幸になる』
お母さんの声が
キ――――――――ンと
耳の奥に響く
それからは
何かに動かされるように
意識が飛ぶ



