橋の欄干に手をかけ
ひざを上げる
喪服のスカートのせいで
足がうまく開かない



黒いパンプスも
橋に脱ぎ捨て




欄干に立った





いつの間にか
空は青く明るくなってきてる



星が還るように
青に溶けていく




目を閉じて
翼のように
両手を広げた






ただただ寂しかった





お兄ちゃんが結婚したこと
子供が産まれたこと



もう どこにも還れないこと



どんなに殻をかぶり
日常をうまくこなしても
胸に宿る炎は消えない



愛してると
あの人みたいに言いたかった



蕾はお兄ちゃんと
離れることでしか
愛を示せない……



永遠に愛してると
告げることは
許されないんだ





目を開き
海へ繋がる
川の先を見つめた