ぼくの 妹 姫





ぼくは 睡眠というモノが上手にとれない


寝つきも悪いし


眠りも浅く


せっかく眠れても


夜中に何度も目覚めてしまう


薬に頼ろうか


そう思う時もある


今はドラッグストアで気軽に


睡眠補助剤が売ってるし



だけど



薬に頼るのは甘えのような気がして



自分の弱さを認めてしまうような気がして



ぼくには そんな薬なんて必要ないんだ



ドラッグストアの薬の並んだ棚を見る度に首を横に振った





蕾が来た最初の夜



ベッドの中で



暗い天井を じっと見つめた



それは いつものこと なのに


いつもとは違った


とても居心地が悪いような


他人の家に泊まってるような


いつもの自分の寝床なのに


変な感覚だった



暗い天井に浮かぶのは


夕飯に買って来た 弁当を食べる蕾の横顔だったり



お風呂からバスタオルで髪を拭きながら出て来た



蕾の頬のピンク色だったり