……良かった
蕾が変に誤解してなくて
裸の胸を合わせると
気持ちがいい
「蕾。
ぼくは蕾が好きだ……
ずっとずっと
こうしていたい……」
『快楽』
その一言では語り尽くせない
何かが ぼくと蕾の間にある
二人だけの暗い『過去』が
この空間を作っているのか
それとも『タヴー』なのか?
禁忌を犯してることが
ぼくの心を駆り立てるのか
罪を犯してることが
わかっているのに
許されてる気持ちに
なるのは―――――――
ベッドの上での蕾が
あまりにも
素直で無防備に見えるから
蕾が悦ぶなら
それで いい
互いを慰められるのも
互いの傷を理解できるのも
ぼくには蕾だけ
蕾にはぼくだけ
白く柔らかい身体を
力いっぱい抱き
「愛してる蕾………
愛してるよ、蕾……
可愛い可愛い
ぼくだけの蕾………」
「……蕾もお兄ちゃん大好きよ
ずっと、ずっと
こうして遊んでいたい……
だけど、お兄ちゃん
必ず、お迎えがくるよ
日暮れにはちゃんと
お迎えがくる
『もうお遊びはお仕舞いよ』
って優しいママが
お迎えにくるよ………」
そう言って
蕾は ぼくの髪を撫でた
優しく そっと
母親は死んだ
ぼくが殺した
ぼくたちは ずっとずっと
辺りが真っ暗になろうとも
二人きりで遊べるだろう
迎えにくる
優しいママなんていないよ



