夕食時に
良いタイミングを
見つけられず



キッチンで食器を洗う蕾が


「お風呂入っちゃえば」
と言うから



その通り、風呂に入った




風呂から上がり
冷蔵庫から
水を出し飲む



居間のテレビは消され
蕾の姿はない



冷蔵庫に水をしまい


キッチンを出てリビングを通り
蕾の部屋のドアをノックした



「はい」


「蕾?入ってもいい?」


「どーぞ」


ドアを開けると
蕾は机に向かってた


ベッドに座り声をかける


「宿題?」


蕾は 素っ気なく


「自分で出したでしょう」


ああ、そうだ。
確かに今日 宿題を出した



訊いた事が少し恥ずかしい


「わからない所はない?」


「お兄ちゃんに
教えてもらうのは
ルール違反だよ」



確かに。



会話が途切れて少し気まずい



「なにか」


蕾がシャーペンを
ノートに走らせながら言った


「なにか用があるんじゃ?」


「え?」


「さっきから何か
言いたげにしてたから」


気づいてたのか


「………うん」


机に向かう蕾の背中から
何気なくだ、本当に


嫌な偶然


何気なくベッドの枕元にある


ゴミ箱が視界に入った



丸まったティッシュの隙間



目を疑いたくなる物が


あった