わたしはこの部屋をもう一度見渡した。 家賃の低いぼろアパート。決して広くはない、が狭くもない。安くても、台所、トイレ、お風呂だってついている。 さみしくない、さみしくないよ。 バイトして勉強して、家事もこなして…。 がんばらなきゃ。自分に言い聞かせた。 「わたしは、強いんだから」 魔法の言葉を呟いて。