いきなり体育館中に審判員の声が響いた。 見ると、スローインされかかってるボールを押さえて、こちらのベンチの様子を伺っている。 それに合わせるように、コートの中の選手も、観客も、何事かとこちらに一斉に視線を向けた。 ………今さら、交代…? あたしも、ゆっくりと向きを変えていく。 …………っ…!? なん……で……? まるで、幻を見ている気分だった。 「ちょっ…!!」 朋歌の焦ったような声が、凄く遠くから聞こえた気がした。 `