クリスマスの前に、ふたりは喧嘩をした。

今思うと、ささいなこと。

「いきなり大学受けるって、どうゆうことだよ!」

怒鳴るテツヤ。
ムッときたユキもいいかえす

「親が・・・親が受けろっつったから!高校でたら一緒に暮らすし大学ぐらい離れててもいいじゃん!」

「なんででも黙ってたんだよッ!しかも同棲だってまだ決まったことじゃないだろ!」

「え・・・?」


ユキがかたまる。

「テツヤは一緒に暮らしたくないの?」

「そんなことっ」

「大学は安い学費で、まぁ低レベルのとこなんだけどだから…バイトもするし!」

「お金だけの問題なのか?」

「えっ」

沈黙が続く。


ブブブブブ
ユキの携帯のバイブが沈黙をやぶった。

[今夜はあんたが好きなカレーだから夕飯うちで食べるわよね?]
お母さんからのメールだった。

「あたし…えと、帰る」

「おう、ちょっとオレら、距離おこう?」

「…わからずやっ!さよならっバイバイ!」

ユキはいきなり怒って走りだした。
ふたりが出会った校門をぬけて、街へとびだしていく。

そしてふたりはあっけなく終わった。