あたしたちは急激に仲良くなっていった。
周りから”バカップル”なんて思われるほどに。

付き合い始めて3日目。
あたしたちは初めて一緒に遊びに行った。
行き先は地元の駅前。

誘ってくれたのはゆうじだった。

「一緒に映画見に行こう」

そう言ってくれた。

あたしにとってデートなんて初めてだし、どうしたらいいのか分からないぐらいドキドキしていた。

ゆうじはすごく優しかった。
買うもの全部、お金を出してくれた。
あたしはなんだか申し訳なかったけど、

「いいよ、いいよ」

って言われて、何も言うことができなくなっていった。

甘い甘い恋愛映画を見た後、あたしたちは家に帰った。
ちゃんと送ってくれた。
うれしかった。
男の子にこんなことされたの、はじめてだったから。


そして、今日を迎えた。
今になって思うとあたしは今日、どうして別れを告げたんだろう。

でも、その時はきっと理由があったんだ。
その理由は…。

――――――――左右田 りょうすけ。

初恋だった。
当時の自分はそう思っていた。
ゆうじの存在が大きくなるたびに
りょうすけの存在も大きくなる。
苦しかった。
そして、ゆうじに罪悪感を感じるようになった。

片思い…?

そんな気持ちから逃げるために、あたしはゆうじと付き合ったのかもしれない。
その思いが日に日に募っていく。

限界だった。

あたしは…ゆうじを好きなはなれない。

そしてあたしは書いたんだ。
今日この日、12月18日。

ゆうじ宛てにメールを送った。
別れを告げたんだ。

それからゆうじからの返信はなかった。