「ちょっと、違うんだけど夏帆には難しいのかもな。夏帆も事故で大変だったから、ちょっと記憶があやふやになってるって親父言ってたから」


「ごめんね、ゆうと」


彼女は困ったように笑った。
おれは夏帆が愛おしくて彼女の名前を呼んで抱きしめた。

穏やかな陽だまりの中で、こんな風にずっとずっと、彼女と2人、いられたら。
それだけで、もう。幸せだった。