夏帆がいなくなった。あの日、夏帆は冷たくなって、そのまま二度とおれの隣では笑ってくれなくなった。 多量の睡眠薬を服用しての、自殺だった。 きれいに整った顔を持つ夏帆だったから、その死に顔はまるで眠っているようにしか見えなくて。 おれは涙も出なかった。