それは、いつもどおりの朝だった。

「ゆーとは、何も分かってないよ」そう悲しそうに夏帆がおれに呟いたあの翌日だった。



夏帆は、あれ以上の何をもおれに語らず、おれに謝らしてくれることさえ許してはくれなかった。

いつもの笑顔で話をはぐらかし、いつもどおり並んで夕ご飯を食べた。
おれが好きなから揚げが並んでいて嬉しかったんだけど、もしかしたら明日あたり別れようって言われるんじゃないかって気が気じゃなかった。


でも、夏帆は。「昼間はごめんね、気にしないで」と柔らかに、すべてを受け止めたように笑ってくれただけだった。