流れてきたのは、すごく柔らかな音だった。 たしかにあたしはこれが好きだったような気がする。 「ゆうと、ありがとう! あたしこの歌好きだったと思う」 にこっと笑えば、ゆうとは柔らかく微笑んで、あたしの頭を撫でてくれた。 そしてそのまま髪の毛に唇が降りてくる。 あたしはこの曲があたしが好きであったとしても、そうでなかったとしても、どうでも良かったんだ、本当は。 ゆうとが笑ってくれるなら、それだけが良かったから。