「夏帆。これ好きだったでしょ?」


ゆうとがそう言って差し出してくれたのは、男の人と女の人が海の見える家の窓際に腰掛けているジャケットがきれいな1枚のCDだった。


「ほんと? じゃあ聞いてみるね!」


ゆうとがあたしのために準備してくれのが嬉しくて、ドキドキしながらコンポにそれをセットした。
どのボタンを押したらいいのか分からなくて少し戸惑っていると、すぐにゆうとが教えてくれた。


ゆうとは優しくて、すごく嬉しくなる。

あたしがゆうとを幸せにしなくちゃいけないのに、ゆうとに幸せを貰ってばっかりのような気がしてしまう。