家までのあいだ あたしはお兄ちゃんと 何も喋らなかった。 ただあたしが 時々ギュッとしたら 首だけ後ろに 向いてくれた。 家について あたしが二階に 行こうとすると 「奈菜、少し話さねぇか?」 とお兄ちゃんに 呼び止められた。